T.A | いかすみ君 |
CUT1 |
先生 | それでは今日のホームルームはこれで終わり。 |
生徒A | 起立、気をつけ、礼、さようなら。 |
| SE:ざわめき |
先生 | 五十里、お前ちょっと残れ。 |
いかすみ | はい。 |
| SE:FO |
CUT2 |
先生 | この前の三者面談の希望日の用紙未だ提出してないだろう。お前。 |
いかすみ | はい。 |
先生 | お父さんの都合のいい日ないのか? |
いかすみ | はい。 |
先生 | お前の場合、お母さんがいないから、まあしょうがないんだが、何とかならんか? |
いかすみ | はい、聞いてみます。 |
先生 | ああ、都合の良い日ができたらいつでも言ってくれ。 |
いかすみ | それじゃ帰っていいですか? |
先生 | ああ、気をつけて帰れよ。 |
いかすみ | はい。 |
CUT3 |
| SE:ざわめき・歩く音 |
いかすみ | はああ、何で学校なんかあるんだろう。 |
| SE:殴る音、倒れる音 |
いかすみ | 痛ったたた。何するんだよ! |
生徒A | あっ、ごめん。そんなところにいたんだ。いかすみ。 |
いかすみ | だから、その名前はやめてくれって言ってるだろ。僕の名前は五十里澄男だって言ってるだろ! |
生徒B | 「やめてくれ?」「やめてください」の間違いだろ? |
| SE:殴る音 |
生徒A | そうそう、お前なんかが俺たちに意見するなんて100万年早いんだよ! |
| SE:殴る音 |
いかすみ | 痛ったいなあ。 |
生徒B | あれ?何怒ってんの? |
生徒A | いかが怒った。あはははは。 |
生徒B | おっ、上手いね。その洒落 |
| SE:めちゃくちゃ殴る音 |
生徒A | 今日はこのくらいにしておくか。 |
生徒B | じゃあねー。い・か・す・み君 |
| SE:走る音 |
いかすみ | 痛ったたたた。 |
| SE:歩いてくる音 |
生徒C | 何あれ?イジメ?ちょっとひどいんじゃない? |
生徒D | いいの、いいの。あの子が有名な五十里澄男こと、「いかすみ」よ。だかいいの 。 |
生徒C | あ、そうなんだ。じゃいいわね、触らぬ神に祟りなしって言うしね。 |
生徒D | そうそう、関わって後々言われるのも嫌だしね。帰ろ帰ろ。 |
CUT4 |
| SE:玄関を開ける音 |
いかすみ | ただいま |
| SE:歩く音、ドアを開ける音 |
純直 | お帰り・・・どうした、またイジメられたのか。 |
いかすみ | ああ。 |
純直 | なぁにぃーーーーー!!ふざけるな。この馬鹿者!! |
| SE:殴る、殴る、殴る。 |
いかすみ | 父さん!だったら、どうして、僕に澄男なんて名前付けたのさ。おかげで学校じゃ虐められてばかりじゃないか! |
純直 | それはな、ある大きな意味が込められているんだよ。 |
いかすみ | 何だよ、それ?訳わかんないこと言うなよな。 |
純直 | 何だとー!何が訳解らないだ! |
| SE:殴る、殴る。 |
いかすみ | 痛い。止めてくれよ。 |
純直 | ああ、すまん。 |
いかすみ | もう、本当に父さんは、時々まるで人が変わっちゃうみたいに僕を殴る・・・その性格なおした方がいいよ。 |
純直 | あ、ああ。それより澄男。・・・15歳の誕生日おめでとう。 |
いかすみ | と・父さん。ちゃんと覚えていてくれたんだ。 |
純直 | ホレ、プレゼント。 |
| (P) |
いかすみ | 何?これ? |
純直 | これか、これは「おしゃべり澪ちゃん」という物でな。この細い部分を こうやって握るとだな・・・ |
澪 | (人形っぽく)あたし、澪。宜しくね。 |
純直 | と、このようにだな・・・ |
いかすみ | そんなことを聞いてるんじゃないよ。何なんだよ一体。誕生日プレゼントにこんな人形もらって喜ぶ奴がどこにいるんだよ! |
| SE:走り去る音。ドアの音。走り去る音 |
純直 | あっ、おい。全くもう。人の話を最後まで聞かんで・・・ |
| SE:ドアの音 |
いかすみ | ふう。全くもう。・・・・・それにしても何なんだよ、この人形は! |
澪 | 助けてください。お願いします。 |
いかすみ | ひっ・・・に、人形が喋った・・・ |
| SE:消える音 |
いかすみ | うわぁ、何なんだ。この光は・・・ |
CUT5 |
いかすみ | う・うーん |
優 | 目、覚めた? |
いかすみ | うわ、誰ですか。あなた達は? |
澪 | 私の名前は澪と言います。そしてこの子は私の娘の優です。 |
いかすみ | はあ、澪さんと優さんですか。あの、ここは一体? |
澪 | あなたはこの世界の人間ではありませんね。 |
いかすみ | さあ、僕は、さっきまで人形を見ていて、それで吸い込まれたと思ったら・・・。 |
澪 | やはり、あなたは異世界から来た2代目勇者いかすみなのですね。 |
いかすみ | ちょっ、ちょっと待ってくださいよ。話が見えないんですけど。 |
澪 | 私達のいる世界は、Bいかすみ によって完全に制圧されてしまいました。・・・その時多くの仲間が死に・・・私達は一縷の願いを持ってあなたを呼び寄せたのです。 |
優 | あいつを倒すことが出来るのはいかすみだけ。・・・そしてあなたは伝説の勇者いかすみなのよ。 |
いかすみ | そんな事突然言われたって、できる訳ないよそんな事。 |
CUT6 |
雑魚敵 | その通りだ、そんなガキに何ができるっていうんだ。 |
優 | ハッ。敵? |
雑魚敵 | Bいかすみ 様の命令だからな・・・お前等、全員殺す! |
優 | やれるもんならやってみなさいよ! |
| SE:走る音 |
優 | いやああああ |
| SE:切る音 |
雑魚敵 | ぐ、ぐわああああ。 |
優 | ふっ他愛もない。 |
雑魚敵 | なあんてな。 |
澪 | 優!後ろ!! |
優 | えっ! |
| SE:殴る音、倒れる音 |
雑魚敵 | 馬鹿め!他愛もないのは、お前の方だ。さて、次は残りの2人だ! |
| SE:走ってくる音 |
いかすみ | な、何か、武器は・・・あっこれ、父さんがくれた人形。こんな物あったって・・・うわ、人形が剣に・・・ |
雑魚敵 | うりゃああああああ |
いかすみ | う・うわああああああああ!!! |
CUT7 |
いかすみ | 僕は一体・・・生きてるのか? |
優 | ええ、生きてるわ。三日間ほど寝ていたけどね。 |
澪 | あなたがその剣であの敵を倒してくれたお陰です。その剣はまさしくいかすみの剣。 |
いかすみ | 別に、これは、父さんからもらっただけで・・・ |
澪 | やはり、あなたは、いかすみ。 |
いかすみ | 冗談じゃないよ。何で僕がこんな目に遭わなきゃいけないんだよ。 |
澪 | そんな事言わずに、お願いします。いかすみになってください。 |
いかすみ | あんな目にあってまだ戦えっていうのかい。もうやだよ、冗談じゃないよ! |
澪 | どうしてもですか・・ |
いかすみ | そうだよ!どうしてもだよ!!こんなの戦いなんて怖くない、戦闘馬鹿に任せればいいんだよ!もう、早く元の世界に返してよぉーー |
CUT8 |
| SE:びんたの音 |
優 | 何甘えたこと言ってんのよ! |
いかすみ | 優さん。 |
優 | 誰が戦闘馬鹿ですって!?敵から攻撃食らって怖くない、なんて人いる訳ないじゃない!ふざけたことぬかすんじゃないわよ! |
澪 | もう止めなさい。 |
優 | 母さんは黙ってて。いい?あたしはあんたの為に死ぬの。 |
いかすみ | えっ! |
優 | あたしは、いつか現れる伝説の勇者いかすみがBいかすみ を倒す時、勇者のために犠牲になる「運命」なの。 |
いかすみ | 運命? |
澪 | そこから先は私がお話ししましょう。 |
優 | 母さん・・・ |
澪 | 「運命」とは私たちの世界では自分の人生の目的・・・この子がその運命を否定したとき、この子の存在理由はなくなり死んでしまうのです。 |
いかすみ | でも、だからって、そんな風に言われたって、僕は何もできないし。 |
優 | でもも、へったくれもないの。あたし達は、もうあなたを頼るしかない の!あなたを信じるしかないの!!お願い、この世界を救ってよ!! |
いかすみ | 優さん |
澪 | 私からもお願いします。どんなに虫の好いことを言っているかは判っています。でも、優に生きる目的を与えてやってほしいのです。 |
いかすみ | ・・・わかったよ、勇者いかすみをやるよ。 |
澪 | ありがとうございます。 |
いかすみ | いや、別に、お礼なんか言わないでください。・・・なんか、今、姉さんや、母さんでも同じ事を言われるような気がしました・・・ |
澪 | えっ? |
いかすみ | どうかしたんですか? |
優 | 何でもないわ。さあ、行きましょうか。 |
CUT9 |
いかすみ | ここですか。 |
澪 | この空中要塞がBいかすみ の本拠地です。 |
いかすみ | 出てこい、Bいかすみ 。勝負だ! |
Bいかすみ | ふふふ、よくここまでこれたな。だが、ここでお前達は、皆死ぬのだ。 |
いかすみ | な、何?こいつは、僕自身。 |
Bいかすみ | そうさ、俺はお前の父とお前の負の感情が具現化した物な のさ。 |
いかすみ | 負の感情? |
Bいかすみ | そうだ、お前らが普段の生活で「悔しい・悲しい」と、思っている気持ちが俺を生んだのだ。お前はここで死んで俺と入れ替わるのだ! |
いかすみ | お前と入れ替わるだって?そんな事はさせない。僕はお前を倒して、この世界を救ってみせる。 |
Bいかすみ | そんな世迷い言など、今すぐ言えなくしてやるわ! |
| SE:爆発音 |
Bいかすみ | ふはははははははっ。これで、いかすみという人物は消えてなくなった。邪魔者は去った。この世界は暗黒と化すのだ。 |
| SE:バリヤー音 |
優 | そいつはどうかしら。 |
Bいかすみ | な、何?あの攻撃をバリヤーで防いだのか。 |
いかすみ | 優さんどうして。 |
優 | 何度も言わせないで。あたし達は、もう、あなたしか頼る者がいないって。 |
Bいかすみ | はっはははは。娘よ!その心意気に対して、絶望という言葉を教えてやろう。 |
優 | どういうこと? |
Bいかすみ | こういう事だ。 |
| SE:拳銃の音。 |
いかすみ | はう。 |
| SE:倒れる音 |
CUT10 |
優 | きゃあああああ。いかすみ。 |
澪 | いかすみ。いかすみ。 |
Bいかすみ | はっはっはっ。たった今、いかすみの精神を、異次元に吹き飛ばしてやったわ。これで、いかすみは消滅したも同じだ。 |
優 | どういうこと。 |
澪 | 元々、この世界の人間ではない、いかすみでは異次元からこの世界に戻ってくることは、不可能・・・ |
優 | じゃあ、いかすみはもう・・・いかすみの心臓が止まりかかっている。母さん!どうするの! |
澪 | 私が、いかすみ・・いえ、澄男をこの世界に連れ戻します。 |
優 | 異次元を渡る気!そんな事をしたら・・・いくら母さんでもこっちの次元に帰ってきたときの歪みで死んじゃうわよ!それにいかすみだってどうなるか・・・ |
澪 | でも、この方法に賭けるしかないわ。・・・その間、Bいかすみ の攻撃はあなたが防いで。いかすみの肉体が滅ばないように。 |
優 | 解ったわ。いかすみ・・・いいえ澄男のことは、任せたわよ。 |
澪 | ええ。命に代えても、必ず・・・ |
| SE:変身音 |
CUT11 |
いかすみ | ここは、どこだ。僕は一体?・・・そうか、僕は死んだんだな。もう、何をすることもできないのか・・・ |
澪 | ・・・男・・・澄男・・ |
いかすみ | はっ!誰?母さん?母さんなの? |
澪 | 澄男。澄男! |
いかすみ | 母さん!!!!母さん。やっと会えた。会いたかったよ。母さん。母さん! |
澪 | 澄男・・・ |
いかすみ | えっ?・・澪・・・さん?・・・ |
澪 | いま、あなたは。異次元の狭間にいるのです。 |
いかすみ | 異次元の狭間? |
澪 | そうです。あなたはまだ死んではいない。あなたの肉体は未だ私たちの世界にあるのです。 |
いかすみ | えっ?でも、この体の温もりは・・・それに、今、確か「澄男」って・・ |
澪 | 今こそすべてをお話しするときのようですね。・・・この世を闇と化すBいかすみ とは、先代いかすみとその血を受け継ぐ者の、負の感情なのです。・・・そして、15年前にBいかすみ を封印したのが先代いかすみ・・・あなたの世界での名前は五十里純直・・・あなたのお父さん! |
CUT12 |
いかすみ | そんな、そんな!!父さんが・・・ |
澪 | そして、あなたの持つ剣こそがBいかすみ を滅ぼせる唯一の「いかすみの剣」 |
いかすみ | いかすみの剣?さっきも言ってたようだったけど。 |
澪 | 15年前のあの時、先代いかすみは、その剣を使わなかった・・・いや、使えなかった。 |
いかすみ | なぜ!?なぜです? |
澪 | その剣が本来の力を発揮し、Bいかすみ を滅ぼすためには、私の命が必要だったのです。でも、私と先代いかすみの間には、双子の赤ちゃんがいたのです。 |
いかすみ | 15年前に、父さんとの間に、双子の赤ちゃん?・・・それじゃあ。 |
澪 | 15年前のあの日、あなたを本来あなたが生きるべき世界に送った後、私たちはBいかすみ を封印することに成功しました。しかし、先代いかすみも無事では済まず、魂の半分は、Bいかすみ のために、失ったのです。 |
いかすみ | えっ? |
澪 | そして、そのせいで、あの人は、負の感情が高まると、心がBいかすみ に支配され、二重人格になってしまった。・・・ごめんなさい、本当にごめんなさい。今更許してなんて、言えないけど |
いかすみ | もういい。 |
澪 | ・・・でも、これだけは信じて!私とあの人は、本当に愛し合っていた。そして、二人の子どもをどうしても、私たち二人で育てたかった。 |
いかすみ | もういい!!もういいよ!! |
澪 | 澄男・・・ |
いかすみ | 僕の母さんは、15年前、俺を生んだと同時に死んでしまった。これでいいんです。さあ、俺たちがいるべき世界へ戻りましょう。 |
| SE:歩く音 |
CUT13 |
| SE:攻撃と結界がぶつかる音 |
Bいかすみ | むううう、私の攻撃を、こんなに長い間、受け止め続けるとは・・・何故?一体何故なんだ?こうなったら、全力で・・・ハァァァァ |
優 | あたしは負けるわけにはいかない。いかすみが戻ってくるまでは・・・ |
| SE:出現音 |
いかすみ | う、うーん。ここは、僕は帰ってこれたのか。・・・はっ、優さん! |
澪 | 優は死ぬ気だわ。 |
いかすみ | えっ! |
澪 | あの精神力の使い方、尋常じゃない。 |
いかすみ | そんな・・・やめろ、やめてくれ! |
Bいかすみ | ぬぉぉぉぉぉぉ。 |
いかすみ | やめろ、お願いだ。やめてくれー! |
優 | はぁぁぁぁぁぁぁぁ。 |
いかすみ | やめて・・・やめてくれー!!!!! |
Bいかすみ | 勝負!(二人重ねて) |
優 | 勝負!(二人重ねて) |
| SE:走り出す音 |
いかすみ | やめろ、やめてくれ。お願いだ、やめてくれー |
優(Reverb) | やっぱり、「運命」っていうのは変えられないのね。 |
いかすみ | えっ? |
優(Reverb) | もし、生まれ変わりなんかがホントにあるなら、今度は平和な時代に・・・そして、また、姉弟として・・・ |
いかすみ | 姉さぁーーん! |
| SE:爆発音 |
澪 | 早く行きなさい!・・・いかすみ! |
いかすみ | でも、俺、こんなつもりじゃ・・・こんなつもりじゃ・・ |
澪 | 何言ってるの!あの子の気持ちを無駄にする気なの!?あの子が何のために犠牲になったか解ってるの? |
| SE:倒れる音 |
いかすみ | 澪さん! |
澪 | (声を震わせて)どうやら、異次元から、あなたを助け出したつけが回ってきたようね。私はもうすぐ死ぬわ。自分の死ぬとき位解るもの。私の屍を越えて行きなさい。そして、勝って。 |
いかすみ | ・・・解ったよ。俺、行くよ。さよなら・・・母さん。 |
| SE:走り出す音 |
澪 | さよなら・・・澄男。ただ、一度だけあなたを抱いてあげたかった。ごめん、ごめんね。 |
| SE:FO |
CUT14 |
いかすみ | ・・・僕は弱いかもしれない。今まで、全てのことから逃げていただけかもしれない。 |
Bいかすみ | ・・な、何? |
いかすみ | ちっぽけな存在かもしれない。実際そう思って・・いや、そう自分に言いきかせて生きてきた・・・だけど、それでも、僕のことを、頼りにしてくれて、信じてくれる人がいた。そんな人たちのために、少しでも力になりたいと思った。 |
Bいかすみ | お前だって解っているはずだ。逃げて生きていくことがどんなに楽か。 |
| SE:爆発音 |
いかすみ | 皆に好かれる人間になろうなんて、思わない。たった一人でも・・・こんな僕を信じてくれる人がいれば、僕は誇りを持って生きていける!! |
Bいかすみ | く、来るな。 |
| SE:爆発音 |
Bいかすみ | い、嫌だ。俺は、俺を虐めた人たちに復讐をするんだ。 |
| SE:爆発音 |
いかすみ | 怯えるな。君のすべてを受け止めてやるから。僕の中へ帰れ!Bいかすみ (おまえ)は・・・いかすみ(ぼく)だ!! |
Bいかすみ | う、うわあああああああーーーーー!!!!!! |
| SE:爆発音 |
CUT15 |
いかすみ | 未だこれだけのパワーがあるのか。 |
純直 | あきらめるな。 |
いかすみ | と、父さん。 |
純直 | お前は、みんなの希望なんだ。父さんと姉さんと、そして母さんの・・・ |
いかすみ | で、でも。もう無理だよ。 |
純直 | お前の想い全てを吐き出せ。お前は未だ全ての力を出し切ってない。 |
いかすみ | はああああー、俺の力全てをぶつけてやる。 |
Bいかすみ | ぬ、ぬおぉぉぉぉぉぉぉ。 |
いかすみ | もう少し、後少しなのに。 |
純直 | 澄男、力を貸すぞ。 |
Bいかすみ | な、力が出ない。さっきの攻撃で・・・それだけじゃない。なんだこの力は。・・・はっ、いかすみ。いかすみが二人! |
いかすみ | 俺と一つになれ!Bいかすみ 。うおおおぉぉぉぉ!! |
Bいかすみ | うわぁぁぁぁぁぁぁぁ! |
| SE:消滅音 |
CUT16 |
| SE:朝の音(雀の鳴き声) |
いかすみ | う、うーん。あ、あれ。いつの間に眠ってたんだ、俺。確か、人形が光ったと思ったら、中に吸い込まれて・・・・あれ?人形がない。 |
いかすみMono | 夢だったのかもしれない。現実の事じゃないかもしれない。でも、俺は忘れない、俺を信じて、頼って逝った姉。俺を助けるために逝った母のことを。そして・・・ |
| (MONOと重ねて) |
| SE:歩いて行く音、ドアの音 |
純直 | おお、おはよう。澄男。 |
いかすみ | おはよう、父さん。・・・・父さん・・・俺・・・ |
純直 | 何だ?どうした? |
いかすみ | ありがとう。 |
純直 | どうしたんだ。突然?熱でもあるんじゃないか。 |
いかすみMono | 二重人格に悩ませられながらも、男手一つで、俺をここまで育ててくれた、父さんを・・・ |
| SE:ドアを開ける音 |
いかすみ | 行って来ます。 |
純直 | ああ。 |
CUT18 |
| SE:歩いていく音 |
| SE:自転車のベル |
いかすみ | あっ、先生。おはようございます。 |
先生 | あっ、お、おはよう。 |
いかすみ | 三者面談の日取り、もうちょっと待ってください。 |
先生 | ああ、別にそれはいいんだけど・・・五十里、どうしたんだ。何か、いいことでもあったのか。雰囲気変わったぞ |
いかすみ | そうですかぁ?そんな事ないですよ。 |
先生 | 何はともあれ、明るい性格になったのは、いいことだ。・・・おっ、いかんいかん職員朝礼に遅れちまう。それじゃ、先行ってるぞ。お前も遅れるなよ。 |
| SE:自転車の音FO |
いかすみ | おっと、急がなきゃ、俺も遅れちゃう。 |
| SE:歩く音 |
CUT19 |
| SE:歩いてくる音、ぶつかる音 |
いかすみ | うわ |
優 | きゃっ |
| SE:倒れる音 |
いかすみ | 痛たたたたたた |
澪 | ごめんなさい。私達、この街に昨日引っ越してばかりで・・・それで、この辺の道が解らなくてうろうろしていたら・・・ホントにごめんなさいね。ホラ、あんたも謝りなさい。 |
優 | ご、ごめんなさい。 |
いかすみ | えっ!? |
澪 | あ、あの。私の顔に何か・・・ |
いかすみ | あ、いえ。知り合いに、よく似た人がいたもので・・・ |
優 | 母さん、早く。学校遅れちゃうよ。 |
澪 | ・・・それじゃあ、どうもすみませんでした。優、行きましょうか。 |
| SE:歩き去る音 |
純直 | おい、澄男。弁当忘れてったぞ、ホラ・・・良かったな。また、会えて。 |
いかすみ | よかった、ホントに良かった。はは・・・ははは |
純直 | ホレ、早く行かないと、遅刻するぞ。 |
いかすみ | あ、もうこんな時間。急がなきゃ、それじゃ行って来ます。 |
| SE:走って行く音 |
いかすみ | 父さん。 |
純直 | 何だ。 |
いかすみ | ありがとう。 |
| SE:走って行く音(CFでE.Aへ) |
| E.A |